2025年度 理事長所信

物質社会が限界をむかえ、世の中が新しい豊かさを求めている

全てはすでに与えられ、気づきがもたらす感謝と幸福

ここから世界へ届けよう、私たちには役目がある。



〜はじめに〜

私はこのまちに生まれ育ったことを誇りに思っています。 ここには歴史があり、豊かな自然があり、なにより人に個性が溢れている、 この様な心情に至ったのは、一度このまちを離れた経験が大きかったです。 10代の青年期を迎えると、おそらく私だけではない多くの若者が都会に憧れます。それは間違ったことではなく、むしろ自然なことだと感じます。 音楽とARTに夢中だった私は、なるべく早い段階で、本物を自分の中に刻み込みたい、そう考え日田からNew Yorkへと、19歳の時に旅立ちました。 高校生の自分に、New York行きという選択肢を発想させたのは、他でもない日田に住み暮らす先輩たちでした。彼らはとても刺激的でカッコ良く、何より楽しそうだったのです。父の病気を機に帰日田するまでの約5年半、人種の坩堝で多くの貴重な体験をさせてもらいました。それらは、私という人間を形づくるうえで重要なパーツとなっています。そして憧れのNew Yorkで感じた、今でもありありと心に残る気持ち。「日本人で良かった、地元が日田で良かった」 疎外感に苛まれ、好きになれなかった故郷を出て、理想の塊だと信じた異国の地で、愛国心・郷土愛が己の中で醸成されました。 すでに多くを与えられていて、それは最高に幸せだったということ。 この気づきの灯火は、あれからずっと私の心の中で消えることなく、キラキラと輝きつづけています。


「日田是好日 ひたこれこうじつ」

このまちには、太古より水・人・文化が行き来、交差してきた記憶が土地に深く深く記憶されています。それは今もまちが醸し出す情緒・魅力として存在し、住み暮らす人々にも少なからず影響しているのか、文化的な特質を持っている方が多いように見受けられます。そんな日田市だからこそ、人生の豊かさや、新しいライフスタイルを、世界に届ける役目があると私は信じています。 物質主義の社会では「消滅可能性都市」だったかもしれません。しかし、ウェルビーングなど価値観がシフトしている今だからこそ、地方がゲームチェンジを起こす鍵を握っているのだと考えます。昨年春、日田市は世界最大級の宿泊予約サイトの調査で、アジア太平洋の旅行者が注目する旅先に、スペイン・アメリカの都市に次ぎ、第3位に選ばれました。そして2050年には世界人口のおよそ80%はアジア・アフリカが占めるとの予測が出ています。また、近隣都市である福岡市は著しい発展をみせ、九州の玄関口としてこれからも更なる盛り上がりが期待されるでしょう。この様な潮流を私たちはどう受け止め、どう立ち回るべきか、今まさに明るい未来への導きが求められています。掴み取るべき「好機」は、目の前に散在しています。流されるのではなく、流れをつくりましょう。アクセスの利便性を活かし、日田を起点に九州を深く堪能できる、そんな西国筋郡代のDNAを感じる、プラットホーム的役割も需要があるのかも知れません。まちづくりをデザインして日田ブランドを築きあげましょう。私たちのまちの、これからをみんなで考え、共通のビジョンを掲げ、そして一歩一歩行動に移していくことが大切です。未来の日田で生きる子ども達のために、気づきを具現化していきましょう。今を生きた証をこのまちに、私たちには役目があります。共にやりましょう。


「私たちがやらねば誰がやる」

やったって意味ない、JCに何ができる。残念ながら巷でこの様なことを耳にすることがあります。私自身も、どうせ無理かな、と消極的になってしまうことがありました。 しかし、日本青年会議所の起源を仰げば、戦後の渦中おいて「新しい日本の再建は我々青年の仕事である」という覚悟のもと始まりました。そしてこの日田の地でも、72年前大水害で甚大な被害を受けたことにより、7名の志士が立ち上がり、日田青年会議所は創設されました。それから現在に至るまで、刻々と変わる社会情勢をいち早くキャッチし、運動を起こしてこられました。そして今日、おそらく私たち現役世代も未だかつて経験がない、混沌の渦中にいるのだろうと感じます。 この度理事長の職をお預かりするに際し、私自身の入会時の動機を振り返ると、先ず思い出されたのが「地域や日本の未来を真面目に語ってもバカにされない」ということでした。社会の道場たる青年会議所は、これまで多くの素晴らしいリーダーを輩出してきました。私も、何処かでリーダーに憧れていたのだろうと思います。しかし、人前で発言するのは苦手で、ずっと避けて生きてきました。そんな私にも、青年会議所は多くの機会を与えてくれました。利害関係を超越した無性の愛、大きな理想を掲げ全力で運動を起こす力。青年会議所で経験するそれらの感情は心の栄養となり、人生をより豊かなものにしてくれます。そして、担いをいただき、事業を起こして、一生懸命運動に励むと、なぜか社業も忙しくなります。もちろんこれには個人差があり、それぞれの捉え方だと思いますが、同感される方も多いのではないでしょうか。人との繋がりで、自分の範疇を越え、思いも付かない所へ事業が発展する、そのような奇跡を味わうと、もうJCから離れられません。「どうせ無理」に負けず、社会の道場たる青年会議所で、思いっきりビジョンに燃えて欲しいと思います。人知れず積んだ徳は、あなたを必ず上のステージへ押し上げ、素敵な出会いをもたらします。信じてください、私たちにしかできません、もう私たちしかいないのです。新しい時代への変革期にこそ、JCの輝きが必要です。


総務委員会

本年度の総務委員会は例会運営のアップデート行います。もっと例会を魅力的なものにできると考え、毎会コンセプトを持って構築していきます。メンバーが自発的に参加したくなる例会を思いっきり楽しんで企画運営していただきます。楽しみ学ぶことで、メンバー全体の創造性を高め、直感力を育み、個人の多様性を伸ばします。一方で、青年会議所運動の核となる例会は、組織の結束を強固にする大切な機会です。セレモニーなど、伝統を重んじ緊張感を有した、厳粛な会の設えを継承してまいります。また、超高度情報化社会において、様々なアプリケーションやクラウドサービス等、あらゆる手段を活用して、より一層生産性を高めることができるはずです。変化の早い現代社会に適応するスピード感は、今後私たちの運動に必ず求められてきます。新たな仕組みを恐れず実践してまいります。

1. エンタープライズ例会・総会の企画運営

2. 華麗なる卒業セレモニー

3. 出向者の支援


まちづくり委員会

まちづくりはパートナーシップにより、運動の無限最大化を起こします。 事業を構築するにあたり、外部の企業や団体と手を組み、よりドラマチックな運動を展開していきます。既成概念に囚われず、多方面を大胆に巻き込み、新時代に相応しいムーブメントを起こしてまいります。改めてこのまちを俯瞰し、広い視野で創造した時に、今なにをやるべきか、青年らしい感度でワクワクを大切に日田の魅力を内外に広くアピールします。日田は歴史的に文化が華やぎ、奥ゆかしい情緒が漂う、まちとひとが自慢です。また、絶ゆることなく溢れる水とそれを生みだす深い山々、これら揺るぎない魅力を「みんなの地元」として、U I Jターン者や、海を越え国外にも届くほどに、見せ方・伝え方をデザインし、JCまちづくり事業のアップグレードを試みます。

1. 日田の文化と魅力を繋ぎ合わせ最大化する事業

2. 新たな豊かさを日田から発信する事業

3. 出向者の支援


ひとづくり委員会

子ども達はこのまちの未来そのものです。地域全体で、大切な子ども達をのびのびと育んでいく、そんなまちであり続けたいと思います。私たちは今年度も体験を軸に、青少年と共に成長できる事業を展開してまいります。大人になり外に出て、故郷の良さに気づく時、それは往々にして小さな頃の思い出が素となります。地域の大人が優しくしてくれたこと、活動の中で感じた、楽しい、好き、大事にしなきゃ、そういった記憶の種は、いつか郷土への愛として花を咲かせるでしょう。このまちに生まれて良かったと、いつか思える種を心に植える、どこにいっても誇らしい自己確立したアイデンティティを形成するお手伝いができればと考えます。日田市には歴史的に文化が華やいだ影響か、芸術家を多く輩出してきた経緯があります。昨今各地で多様化するアート事業に遅れを取ることなく、子ども達が楽しみながらインプットできる手法として、アートを学びの機会に活用していきます。そして継続的に運動をおこしてきた、献血推進活動の絆も絶やさず、協力して命のバトンを未来へつないでいきます。

1. 「体験」を軸に誇らしいアイデンティティ育成事業

2. 未来へ繋ぐ献血運動

3. LIFE is ART事業

4. 出向者の支援


運営室

今年度の運営室は躍動的に担いを企画展開してまいります。先ずは会員拡大です。このままでは運動の推進力低下は元より、会の存続すら危ぶまれる未来も想定しなければなりません。もっと私たちを知ってもらい、波長に響き合う仲間との出会いの場をつくります。定期的に拡大オリエンテーションを行い、JCというライフスタイルの提案をさせていただこうと考えます。心に火を灯したい人、地域のために何か貢献してみたい人、必ず仲間がいるはずです。JCのやり甲斐という磁力で、惹きつけたいと考えます。そして、運営室直轄組織としてミッションを遂行するアライアンス推進室です。こちらでは、韓国釜山沙上青年会議所との交流事業をおこないます。姉妹関係にある沙上青年会議所との交流事業は、国際感覚養う絶好の機会です。近くて遠い韓国ですが、私たち青年経済人同士が絶えず、交流を続けることが大切だと信じています。これまで以上に、韓国メンバーとの友情を育み、真の国際人へ成長する機会を創造します。次に、日田市長と日田市内の若い有識者を集め、これからの日田市のビジョンを考える会議体を結成します。ここで構想されたビジョンを、日田市に将来的な展望として、政策提言いたします。 最後に広報活動です。こちらはアライアンス推進室に属する形でSNS部を創設します。既存の広報媒体はもちろん、こちらは、ソーシャルメディア及び新たに、ショート動画などを頻繁にアップすることで、若年層などもっと幅広く我々の運動を知っていただき、JCのブランディングを図りたいと思います。私たちは挑戦をやめません。

1. グッドバイブス拡大事業

2. 超国際交流事業

3. 日田のこれからをみんなでデザインする事業 「ブループリント会議」

4. 広報活動2.0

5. 出向者の支援


出向者の支援

今年度は大分ブロック協議会に、副会長と委員長の二名が出向します。 私自身、入会直後から出向を幾度か経験させていただき、多くの素晴らしい出会いを賜り、まさにJCでしか体験できない社会勉強をさせていただきました。 JCに入会したなら是非、一度は出向に挑戦して、多くのご縁を掴みに行ってほしいです。今年度は別府の地でブロック大会が行われます。昨年日田で開催されたブロック大会の折、多大なるご尽力をいただいたJCI別府さんへの恩返しもあります。果敢に挑んでくれた出向者への支援、全メンバーで行ってなっていきましょう。


〜最後に〜

昨日までの自分を超えましょう。 人と比べず、成長した自分を褒めてください。 できるわけないを恐れず、行動を起こしましょう。 私たちは今、人生史上最も若く、力も漲っています。 最高のメンバーが揃いました。 幕末か今か、ことを起こすには最高の時代です。 潮目を読み、運をも味方につけ、ビジョンに燃えましょう。 日本が日田が世界を変える、日田青年会議所で新時代を共に創りましょう。

 

人生はたった一度きり、どんな試練も心を前向きに、良き日として生きていく。

そんな毎日を送れれば、あなた自身が幸せをつくることができる。

そしてあなたの身近な人に幸せが伝導して、このまちが、この国が、ひいては世界が幸せに包まれ

ていく。これは確かに簡単なことではないかもしれない、しかし日々これを意識するだけで、次第

に状況は好転していく、あなたならできる。

今この瞬間を、大切に生きていく、直感を信じて軽やかに楽しみながら。







2025年度スローガン