2020年から世界的感染拡大を始めた新型コロナウイルスも、約3年間の月日が過ぎましたが、引き続き感染防止対策を行う日々が続いています。また2022年から始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻も今なお終わりが見えない状況です。こういった環境の変化から、物価資源の高騰や景気減退によるスタグフレーションも不安視され、我々の日常生活にも経済的影響などが見え始めています。このように当たり前の平穏な日々が、当たり前では無い事を突き付けられる出来事が近年多く起きています。
私達のまち日田でも70年前、未曽有の大水害による被害を受け、日常の生活すら困難を極める状況が有りました。そこで、まちの復興の誓いをきっかけに、日田青年会議所が発足しました。それから70年経った今もなお、課題は変われども、まちの様々な社会問題の解決、青少年の育成などにひたむきに取り組む日田青年会議所が存在しています。それぞれの時代に真摯に向き合い、日田のまちに必要とされる組織として、これからも、いつまでも、メンバーと共に運動を続けることが求められています。
青年会議所とは、社会課題を解決することで、自らの住まう地域を持続可能なものとし、社会全体を明るく豊かにする団体です。そして青年会議所の使命とは、青年が社会により良い変化をもたらすための発展と成長の機会を提供する事です。青年会議所は、会費を払って何かをしてくれる団体では無く、活動や運動の中での行動、実践、経験を通じて自ら学ぶ場だと考えます。日田青年会議所メンバーの一人ひとりは、様々な理由やきっかけがあり、個人で活動するのではなく、これからも住み暮らし続ける日田のまちの為に、会に属し共に行動することを自ら選んでいます。何故青年会議所活動を続けているのか、やる目的は何なのかは自分の中にしか答えは有りません。創立70周年を迎える今、改めて入会のきっかけ、入ってからの経験や思い出、これからの目標などを回想し、考える機会にしてほしいと思います。この会でしかできない経験の機会を今年も多く提供し、そこにメンバーが少しでも背伸びをして挑戦し、成長できるよう運動を展開します。
総務共有委員会は、運営室と共に組織運営の芯になります。毎月の例会や総会は、メンバーが一堂に会し、会や会員の想いを共有する場です。まずはメンバー同士しっかりと仲を深め、共に歩むための環境づくりを行います。その為にもウェブ配信を活用したハイブリット形式など、より効果的な手法も取り入れ、改善に努めていきます。また我々の運動や活動を市民の皆様や外部へ広く発信することにより、我々と想いを共有する人が一人でも多くなるよう、丁寧な広報活動が必要です。より効果的に、我々の運動や想いを共有する為にはどうすべきか、現在の広報手法を精査し再構築していきます。例会などの集まる機会や、WEB上での広報など、想いを共有する機会をしっかり提供していきましょう。
日田のまちも少子高齢化や過疎化が年々進み、今の形での日田市の在り方を考える岐路に立たされています。我々が住み暮らす日田のまちがこれからも長くあり続けるためにもSDGs(持続可能な開発目標)を取り入れたまちづくりが必要だと考えます。日田市そして日田青年会議所のSDGs推進に関わる事業を構築し、まちと会のこれからの継続的発展に寄与します。また日田市は、大分県内への移住者数で6年連続1位を誇るという側面もあり、これからは地元の人だけという考え方だけではなく、地域、老若男女問わずに受け入れていく、多様性(ダイバーシティ)を持ったまちづくりが必要になります。その為にも多様性について学び育む事業も構築して参ります。様々な人や団体を巻き込んで、共に日田のまちを創り上げましょう。
日本の出生数も2021年には過去最少になり、超少子化が進む状況があり、日田のまちでも同様に少子化が進んでいます。未来を担う存在である子どもは、国やまちの大切な宝です。様々な課題が山積する現代でも、自己肯定感を高く持ち、たくましく自立していく為にも、青少年の育成が大事です。社会的問題に対する意識の醸成や、自立心の向上など、子ども達が学ぶ機会を創出します。また日田市と共に事業を構築することで、青少年育成の重要性をまちと共有していきます。青少年育成事業を通して、子ども達を育むだけでなく、我々も共に成長していきましょう。
明るい社会の実現の為、社会の問題を解決して、持続可能な地域を創る我々の運動は、会員がいてこそ成り立ちます。日田のまちでも、この想いに共感する青年に、一人でも多く賛同してもらうことによって会員活動は加速していきます。職業や性別にかかわらず、より多くの方に理念や想いが共感してもらえるよう、理念共感拡大運動を展開します。また青年会議所は、世界規模で活動を行う組織であり、日田青年会議所は、韓国釜山沙上青年会議所と姉妹締結を調印しています。コロナ禍により近年直接の交流が実現できていませんが、積極的に交流する機会を創造し、国際的な広い視野を養い、様々な価値観を理解尊重するきっかけとします。我々の思いに共感する青年と共に運動を拡げていけるよう、積極的に理念拡大に取り組みましょう。
本年度は日田青年会議所が創立70周年を迎えます。一年ごとに変わる青年会議所の組織の中で、毎年先輩方や市民の皆様、市内外の関係団体の皆様の支えを頂き、しっかりと70年積み上げてきた歴史によって、この節目を迎えることが出来ました。そこで、ご支援いただいた皆様に感謝や尊敬の念を広く発信する機会として、70周年記念式典事業を執り行います。また70年目以降の青年会議所運動が、日田のまちにさらに寄り添い、より活発に行えるよう、記念事業として日田青年会議所独自の地域中期ビジョンの策定、市内選挙に関わる事業を行います。70周年の節目が、日田青年会議所の更なる飛躍のきっかけとなるよう全メンバーで取り組みましょう。
本年度も大分ブロック協議会に全員出向し、県内8会員会議所を含む、大分県内での青年会議所活動や運動に取り組んでいきます。日田市だけでなく大分県での枠組みでも、地域課題の解決や会員成長の機会として、事業や諸会議への参画支援を会員一丸となって行います。
私が日田青年会議所に入会したきっかけは、2012年の九州北部豪雨災害の復興ボランティアを行ったという、青年会議所活動の事を先輩から聞いたことでした。社会人になって仕事もしながらボランティア活動をやっているのだと、純粋にすごいなと感じました。その後入会を決め、例会に参加をするなど活動を始めましたが、実際入って1年ぐらいはなんとなく参加している感覚でした。しかし委員会活動や事業を通し、先輩方やメンバーに義理や人情をかけて頂き、たくさんの事を学ぶことが出来、委員長、副理事長と役職も担わせて頂きました。お陰様で会社のCSR活動の一環として、青年会議所運動を通じた日田市のまちづくりに参画することが出来、会で学んだ事を会社や自分の生活にフィードバックすることが出来ています。私は皆様にかけて頂いたご恩に、理事長の役職として応えるためにも、初心に帰り改めて日田を知り、メンバーに寄り添い、共に歩みます。歩幅も、歩数も人それぞれ違うかもしれません。しかし皆同じ方向に歩んでいれば、その先に明るい未来があると信じています。今年一年間、日田の為、皆の為、自分の為に、共に歩み続けましょう。