2018年度 理事長所信

平成29年7月、日田市を含む福岡大分両県を大水害が襲いました。
犠牲となられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

はじめに

私たちの住むまち日田には、豊かな自然の恩恵に与りながら、その表裏一体にある脅威とも向き合い続けてきた歴史があります。昭和28年、当時も大水害に襲われた日田市で、志ある青年が立ち上がり日田青年会議所は誕生しました。その出来事は、それぞれの時代に真剣に向き合う青年たちの思いと運動を確実に重ねながら、連綿と受け継がれ、そして本年、私たち日田青年会議所は創立65周年を迎えます。

進学や就職で日田を離れる我が子にいつか帰っておいでと声を掛けるのが憚られる、そんな空気を感じないでしょうか。我が子を想うからこそ都会での生活を応援してあげる、親の願いが消極的なものになっていると感じませんか。今日田市の将来に見えている道は決して安穏としたものではありません。少子高齢化、そして都市部への若年層の流出により、確実に人口減少が進んでいます。それに伴う経済規模の縮小や社会保障費の増加等、問題は山積しています。
だからこそ、責任世代である私たちが立ち上がらなければいけません。戦後焼け野原となった東京で「新日本の再建は我々青年の仕事である」と日本青年会議所の前身となる東京青年商工会議所は産声を上げ、そして65年前の大水害から復興を果たすべく、私たち日田青年会議所の先輩が立ち上がりました。今私たちが立っているのは、先人がいくつもの困難を乗り越えてきた道の上です。ここからが私たちの仕事です。次世代を生きる人のために、力強く、そして青年らしいしなやかさで、道をひらきましょう。


地域に認められる存在であるために

未来への道を力強くひらいていくために、本年度は五本の柱で運動を展開しますが、その大きな目標を達成するために、全メンバーで心がけたいことがあります。まず、私たちは自身の行いに厳しくありましょう。礼儀正しい日本人、ルールを守る日本人、このありがたい評価は、先人の生き様によって築かれた部分が大きいと感じています。お酒を飲んだ時、切羽詰まった時、そして誰も見ていない時、そんな時こそ正しくあらねばなりません。ルールを守るのは当然、高い道徳心を持った行動を日常的に心がけましょう。そして「今までがそうだから」を動機とした運動は行いません。ただ惰性でやらされるのではなく「これがいいから」という動機のもとで、気持ちの入った運動を展開しましょう。


総務・広報委員会

総務・広報委員会は運営室と共に組織の軸として、ソフト・ハード両面から強固な組織形成を行います。全会員が顔を合わせる機会となる毎月の例会は、組織の結束にとって非常に大切な役割を担っています。しかしそれぞれ多忙な会員の集まりである私たちにとって、出席率が例年の課題となっていますが、一辺倒に来てくださいとお願いするだけではなく、どうすれば参加したくなるかを追求し、常に出席者にとって意義深い例会運営を行います。また財務面では過去を踏襲するだけではなく、将来に亘り組織が存続できるよう、無理や無駄を省いた予算建てをします。そして私たちの運動の影響力を最大限に高めるために、効果的な広報の実施が重要となります。まちづくり、青少年育成、会員拡大、私たちの運動すべての面において、総務・広報委員会が、組織としての戦略的広報活動に責任を持ち、日田青年会議所の運動すべてを力強く後押しします。


まちづくり委員会

日本の多くの地域がそうであるように、日田市においても定住人口は減少の一途をたどっています。しかしその現実を受けつつも、私たちは責任世代として魅力溢れる豊かな日田市を次世代につないでいかなければなりません。本年は青年経済人としての経営感覚で、交流人口の増加をキーワードにしたまちづくりを行います。私たちの認知する日田の魅力は数え上げれば枚挙に暇がありません。しかしそれらが対外的にも魅力として認知され、訪れていただけているかを考えたとき、まだまだ改善の余地が見えます。数ある地域資源のどれを売り出すか、どこにどう売り出すか、いかにしてブランド化させるかといった経営感覚で、そして既存の価値観や枠組みにとらわれぬ若者らしい柔軟な発想で交流人口を増やすことが出来れば、地域に賑わいが生まれ、市民の地域に対する誇りを高めることが可能です。地域を誇る市民一人ひとりがまちづくりの当事者として活躍する、将来に亘り持続可能な日田市を創造します。


青少年育成委員会

情報通信技術の発達は、地域や年齢の隔たり無く、かつてでは考えられない程の膨大な知識に触れる機会をもたらしました。
またSNS等のツールを用いれば、他者とのつながりを容易に感じることができます。今も日々刻々と猛烈なスピードで便利になる世の中を生きる青少年が、変化の波の中でも健やかに成長できるよう、大切にしてほしいものがあります。それは日本の歴史や伝統文化によってゆっくりと育まれた価値観「道徳観」です。人に優しく、困っている人は助ける、相手の気持ちを慮る、自然に対して敬意を払う、誰も見ていない時こそ正しい行いをする、これら普遍的な価値観は、青少年がこれから歩む道で迷いが生じたときに、正しく導いてくれる指針となります。便利さの陰で希薄化した人と人とのつながり、身をもった体験を通して、私たちの宝である青少年の健全な成長を支援します。


拡大交流委員会

私の考える青年会議所とは、自分自身に直接の関係はなく、誰かが解決するのを待ちたくなる、そんな問題に対して敢えて矢面に立ち、苦労を厭わず向き合う、そのような団体です。
この私たちの運動を力強く展開し続けるためには志を同じうする仲間の存在が必要となります。拡大交流委員会は「青年会議所とは」に対する明確な答えと熱い志を携え、会の行く末を担う覚悟で会員拡大に取り組みます。
また現在私たちの会は深刻な女性会員不足に直面しています。
私たちの運動をより良きものとするためには世の半分を占める女性の意見が取り入れられる組織を作っていかなければなりません。
そして姉妹関係にある沙上青年会議所との交流は、青年経済人にとって重要な国際感覚を身に付ける機会です。日韓両国は様々な問題を抱えていますが、私たちはその現実をしっかり理解しておかなければなりません。日韓関係に関わらず、国際社会では私たちの価値観だけでは想像もできないことがおこります。その中でも日本人として自身の確固たるアイデンティティを持ち、しかし異なる価値観を理解し尊重しながら友好を深めることは、国際交流をより素晴らしいものへと昇華し、私たち自身を世界に通用する真の国際人へ成長させてくれます。


65周年運営特別委員会

日々運動を展開する私たちは決して単独で成り立っているのではありません。市内外にわたる横のつながり、そして先輩方より連綿と続いてきた縦の歴史があって、今を迎えています。本年は65周年という節目を迎えるに当たり、感謝と敬意、そして日田青年会議所の思いを広く発信する記念式典を執り行います。これは日田青年会議所が一丸となり必ず成功させなければならない大切な事業です。参加いただく皆さまとの関係がより密になり、66年目以降の運動が今以上に飛躍する契機を作ります。


終わりに

昨年の水害において、私たちは被災した現場でのボランティア作業に当たり、社会福祉協議会との協定によるボランティアセンターの運営にも参画しました。平時には将来を見据えた市民意識変革運動を展開する私たちですが、有事の際は先頭に立ち最前線で汗を流す姿に青年会議所の本質を見た気がします。65年目という節目の年に創始の精神に思いをよせると、私たち青年のあるべき姿は、全く変わっていないことに気づきます。これから地域にどのような困難が訪れるのか、それは私たちには計り知れぬ部分もあります。しかし生じた困難にどう向き合うのか、これは私たち自身のみが決め得る領域です。私たちは日田青年会議所という大きな力を使い、未来を変えることが出来ます。一つ一つの運動に全力を込めて、希望溢れる未来への道を私たちが切りひらきましょう。